2017年9月27日水曜日

定期連絡 2

ニコライ:本日、リオーネ地区の調査が終了しました。
イズミ:ご苦労だった。
    保存状態はどうだ?
ニコライ:火事の痕はほとんどなく、比較的いい状態でした。
      ただ、不思議ではありますね。当時軍は、本当に街全体に火を掛けたのでしょうか。
イズミ:資料では、そうなっているがな。
     ところで……母親の家には行けたか?
ニコライ:え?
イズミ:君の母親の実家もたしか、リオーネ地区にあったはずだが。
ニコライ:ご存じだったんですか……。
イズミ:新たに雇う者に対しては、一応、身元調査をしているのでな。
ニコライ:そう……なんですか。
イズミ:ショックか?
ニコライ:いえ、そういうわけでは……。
イズミ:それで? どうだったんだ?
ニコライ:はい、母の家にも行って来ました。……なんだかちょっと、変な感じでした。
      僕の知っている母は、大人の女性なのに、部屋にあるものは、少女めいていて……。
イズミ:それはしかたがないだろう。実家にいたのは、十代のころなのだろう?
ニコライ:はい。それはそうですが……。
イズミ:(小さく苦笑して)まあいい。引き続き、調査を頼む。
ニコライ:了解です。


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